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随筆
2024.09.22

輪郭線

随筆, 2024.09.22

あらゆる個別の映画は、総体としての”映画”のある面であり、その縮尺において、個別の映画は緩やかで薄めき、あいまいな輪郭線しか持たない。

さらに過去〜現在〜未来の世における、気候風土、文化風習、国境、各国家社会ごとの構造など、種々に端を発する人間社会性により”映画”の分断・分割は絶え間なく行われる。

それはさながら、切り刻まれてゆくフィルムのロールのように。

映画の総体を、映画の海、あるいは、映画の空と呼びたい。
その総体、その風景の中に、個別の波や個別の雲が有るのは事実である。
ひとつのフィルムのロールには、あるシーケンス、あるショット、ある1コマが介在する。


海があるから波があるのか、波があるから海があるのか。


空があるから雲があるのか、雲があるから空があるのか。



総体性と個別性は自明ではない。

ともあれ、こうした事象に対し、ひとは前述の人間社会性を駆使し、とりわけ言葉の力を駆使し、ただただ無力に、分割・分断(カット)することをやめられない。

四苦八苦のなか、ただ、空を見上げ、海を見渡す。

空にハサミは入らない。海をハサミで切り離せない。
そこでわたしは安心する。


「四苦八苦」AI による概要

煩悩の数を108と考える説のひとつに、四苦八苦の四苦(4×9)と八苦(8×9)を足した数という説があります。
四苦とは、生(しょう)、老(ろう)、病(びょう)、死(し)の4つの苦しみを指します。八苦とは、愛別離苦(あいべつりく)、怨憎会苦(おんぞうえく)、求不得苦(ぐふとっく)、五蘊盛苦(ごうんじょうく)の4つの苦しみを指します。
愛別離苦とは、大切な人や大好きな人であっても、いつかは離れなければならない苦しみです。怨憎会苦とは、大嫌いな人、顔も見たくない人でも出会ってしまう苦しみです。求不得苦とは、求めて得られない苦しみ。五蘊盛苦(ごうんじょうく)とは自分の心や、自分の身体すら思い通りにならない苦しみ。

あらゆる映画作品の真実のタイトルは、真に言葉の魔力を借りるなら単に「映画」で、ある。

酔うてるとき、青信号も赤信号も、ただのシンゴ。

2024.08.17 記述

布村喜和 / 映画監督 Yoshikazu Homura / Film Director

About

3月19日生まれ。山口県出身。大阪芸術大学映像学科卒。 2017年3月19日、HOMURA & a 319 Filmworks Blue 設立。シネマトグラフ発明に始まる"相対的なる映画史"と、 インディペンデント映画やアートフィルムが接近を試みる"絶対的なる映画史"。 広い世界と無限の観客、しかし、自己の所在は依然として分からない。 ただ、映画をつくりつづける。生きている。

Born March 19th. I am from Yamaguchi Prefecture. He graduated from Osaka University of Arts and Sciences. On March 19, 2017, HOMURA & a 319 Filmworks Blue was founded. "Cinematograph" Relative movie history starting with invention, "absolute movie history" where independent films and art films try approaching. Wide world and infinite audience, but I still do not know where I am. However, he continues to make movies. I am still alive, today.

Award

DAIGEI FILM AWARDS 2013 上映
ぴあフィルムフェスティバル2014 1次審査通過
日本芸術センター 第六回映像グランプリ 本選上映
第3回 三軒茶屋映像カーニバル 奨励賞受賞
(映画監督・松井良彦氏 選出)

YCAM10th FILM by MUSIC
「架空の映画音楽の為の映像コンペティション」入選
(音楽家・坂本龍一氏 選出)

DAIGEI FILM AWARDS 2013
 / Screening

PFF 2014
 / First pass judging

The 6th Video Grand Prix of the Japan Art Center
 / Screening

The 3rd sangenjaya cinema carnival
 / Incentive Award (Yoshihiko Matsui selected)

YCAM 10th FILM by MUSIC
“Video Competition for Fictitious Film Music”
 / Winning (Ryuichi Sakamoto selected)

I believe and movies that I believe.
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